Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいをみるひとをみる
幽霊を見る人を見る
長谷川 伸
Lesen Sie 幽霊を見る人を見る (ゆうれいをみるひとをみる) von 長谷川 伸 (はせがわしん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.924 Zeichen · 6 Bildschirme
その手紙の一節はこうだった。
「不幸娘の分娩は老衲自身、覚束なくも仕り候。一銭の失費も出来かね候貧僧の境界とて是非の議に御座なく候」
そういう手紙は、娘の死、嬰児の死を素朴に書き伝え、そして、
「娘の不行蹟言語道断に候、男の浮薄は鬼畜に劣る、かかる刻薄無残の輩を弟子に持ち知らざる顔にて打過ごす貴殿も冷酷の人に候、無学鈍痴の老僧、今日より仏罰を怖れず呪咀の行を日課と致す可く――」
「Tの奴、そんな手紙が私のところへきたのは知らないでいますよ、今でも?――さあ。あれは今どうしていますか、多分、生きているとは思いますが」
私は、こんな因果物語のもつ内容を別にどう考える訳でもない、ただ、幽霊を現に見ていた男を私が見ていた、ということが心をいつまでも惹くのだ。京都の秋の星の夜更けだったから特に深さが加えられたのかとも思うが。
ああ、書き落しては悪い、Tの師は老僧のところへ長い手紙を書いて、五十円の為替券を巻き込んで送ったそうだ。