Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいづま
幽霊妻
大阪 圭吉
Lesen Sie 幽霊妻 (ゆうれいづま) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.233 Zeichen · 20 Bildschirme
私は思わずドキンとなってその方へ進みかけたのでございますが、進みかけて、ふとかたわらの開放された襖越しに、畳敷きのお居間の中へ目をやった私は、今度はへなへなとそのままその場へ崩れるように屈んでしまいました。お居間の床柱の前に仰向きに倒れたままこと切れていられる旦那様をみつけたからでございます。――お姿はふためと見られないむごたらしさで、両のお眼を、なにかまるで、ひどく凄いものでもご覧になったらしくカッとお開きになったまま、お眼玉が半分ほども飛び出して、お顔の色が土色に変わっているではございませんか。見渡せば、お部屋の中は大変な有様で、旦那様もかなり抵抗なさったと見え、枕や座布団や火箸なぞがところかまわず投げ出されているのでございます。……
――さアそれからというものは、いったい私は何をどうしたのか、いまから考えても、サッパリその時の自分のとった処置が、思い出せないのでございますが……なんでも私の気持が少しずつ落ち着いて参りました頃には、もう大勢の警官達が駆けつけて、調査がどしどし進められ、世にも奇怪な事実が、みつけられていたのでございます。
――なんでも、警察の方のお調べによると、旦那様のところへやって来た恐ろしいものは、明らかに、一人で、庭下駄を履いて来たというのでございます。