Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいせんのひみつ
幽霊船の秘密
海野 十三
Lesen Sie 幽霊船の秘密 (ゆうれいせんのひみつ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.846 Zeichen · 62 Bildschirme
巨象が行水しているようでもある。船体からは、例の青白い燐光がちらちらと燃えている。さすがにものすさまじい光景で、櫂をにぎるわが勇士たちの腕も、ちょっとにぶったように見えたが、それも無理のないことであった。
「おい、しっかり漕げ! 生命の惜しい奴は、今のうちに手をあげろ。すぐ一号艇へ戻してやる」
もちろん誰も手をあげる者はいない。えいやえいやと、また懸け声がいさましくなった。
「そこだ。しっかり漕げ。貝谷、銃を構えていろ。――そこでこのボートを幽霊船の船尾にぶらさがっている縄梯子の下へつける。おれがのぼったら、お前たちもあとからついてのぼれ」
やがてボートはぐんぐんと幽霊船の下に近づいていった。見上げるような巨船だ。すっかり錆が出ているうえに、浪に叩かれてか、船名さえはっきり読めない。しかしとにかく外国船であることはたしかである。
なにしろ驟雨はまだおさまらず、波浪が高いので、ボートはいくたびか幽霊船に近づきながら、いくたびとなく離れた。
「えい!」いくど目であったかしらぬが、とうとう古谷局長は、身をおどらせて船と船との間を飛んだ。綱梯子は大きく揺れているが、局長の身体はそのうえに乗っている。