Japanische Klassiker mit Furigana
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いくねんもたったのち
幾年もたった後
小川 未明
Lesen Sie 幾年もたった後 (いくねんもたったのち) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.517 Zeichen · 8 Bildschirme
それでありますから、できるだけ、子供にやさしく、そして、しんせつにしてやろうと思いました。
子供は、二足、三足歩くと足もとの小石を拾って、それを珍しそうに、ながめていました。鶏が餌を探していると立ち止まって、
「とっと、とっと。」といって、ぼんやりとながめていました。
また小犬が遊んでいると、子供は立ち止まって、じっとそれをば見守りました。
「わんわんや、わんわんや。」と、かわいらしい、ほんとうに心からやさしい声を出して、小さな手を出して招くのでした。
子供にとって、木の葉も、草も、小石も、鶏も、小犬もみんな友だちであったのです。その父親は、手間がとれても、子供の気の向くままにまかせて、ぼんやり立ち止まって、それを見守っていることもありました。
「なぜ、人間は、いつまでもこの子供の心を失わずにいられないものだろうか。なぜ年を取るにつれて、悪い考えをもったり、まちがった考えをいだいたりするようになるものだろうか。ああ、自分も、どうかして、もう一度、なにも世の中のことを知らなかった、そして、なんでも美しく見える子供の時分になりたいものだ。しかし、流れた水が、もう帰ってこないように、なれるものでない。