Japanische Klassiker mit Furigana
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にわ
庭
Lesen Sie 庭 (にわ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.469 Zeichen · 7 Bildschirme
「どうして、お前たちは、利休の事を書かないのだろう。いい小説が出来ると思うのだが。」
「はあ。」と私は、あいまいの返辞をする。居候の弟も、話が小説の事になると、いくらか専門家の気むずかしさを見せる。
「あれは、なかなかの人物だよ。」と兄は、かまわず話をつづける。「さすがの太閤も、いつも一本やられているのだ。柚子味噌の話くらいは知っているだろう。」
「はあ。」と弟は、いよいよあいまいな返辞をする。
「不勉強の先生だからな。」と兄は、私が何も知らないと見きわめをつけてしまったらしく、顔をしかめてそう言った。顔をしかめた時の兄の顔は、ぎょっとするほどこわい。兄は、私をひどく不勉強の、ちっとも本を読まない男だと思っているらしく、そうして、それが兄にとって何よりも不満な点のようであった。
これは、しくじったと居候はまごつき、
「しかし、私は、どうも利休をあまり、好きでないんです。」と笑いながら言う。
「複雑な男だからな。」
「そうです。わからないところがあるんです。太閤を軽蔑しているようでいながら、思い切って太閤から離れる事も出来なかったというところに、何か、濁りがあるように思われるのです。