Japanische Klassiker mit Furigana
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でし
弟子
Lesen Sie 弟子 (でし) von Nakajima Atsushi (中島 敦) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.284 Zeichen · 49 Bildschirme
孔子の門に入って以来、乱暴者の子路が急に親孝行になったという親戚中の評判である。褒められて子路は変な気がした。親孝行どころか、嘘ばかりついているような気がして仕方が無いからである。我儘を云って親を手古摺らせていた頃の方が、どう考えても正直だったのだ。今の自分の偽りに喜ばされている親達が少々情無くも思われる。こまかい心理分析家ではないけれども、極めて正直な人間だったので、こんな事にも気が付くのである。ずっと後年になって、ある時突然、親の老いたことに気が付き、己の幼かった頃の両親の元気な姿を思出したら、急に泪が出て来た。その時以来、子路の親孝行は無類の献身的なものとなるのだが、とにかく、それまでの彼の俄か孝行はこんな工合であった。
三
ある日子路が街を歩いて行くと、かつての友人の二三に出会った。無頼とは云えぬまでも放縦にして拘わる所の無い游侠の徒である。子路は立止ってしばらく話した。その中に彼等の一人が子路の服装をじろじろ見廻し、やあ、これが儒服という奴か? 随分みすぼらしいなりだな、と言った。長剣が恋しくはないかい、とも言った。子路が相手にしないでいると、今度は聞捨のならぬことを言出した。