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Japanische Klassiker mit Furigana

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かげのないはんにん

影のない犯人

坂口 安吾

Lesen Sie 影のない犯人 (かげのないはんにん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.032 Zeichen · 23 Bildschirme

Aozora Bunko

「ママサンはまだ若いんだからね。それに、あの美貌だもの。ボクみたいの青年にママサンなんて呼ばれる気の毒さ。はやく、ただの女にしてあげたかったのさ。アッハッハ」

と、妙に物分りのよいことを言っていた。そこで目を光らせたのは狂六だ。

「ウーム。してみるてえと、前山一作殺しの犯人は絶世の美女かも知れないなア。それだったら、もう、文句はねえや」

「独断的な推理は止した方がよいですよ。殺人なんか、なかったのかも知れないじゃないですか」

「よせやい。やに物分りのよさそうなことを云うじゃないか。ボクも軽率だったよ。この犯人のすばらしさを忘れていたね。とにかく医者が見ても分らないように殺したのだからね。すばらしいことだよ。このすばらしさを忘れちゃいけないね。そして他に犯人の有りうる状況をつくるために、並木先生の診察を拒否したとすれば、これまさに芸術的な名作じゃないか。こッちは、このウチから追放されやしないかと思って、アブラ汗をかいちゃッたからね。トンマな話だよ。並木先生だの玄斎先生なぞに、こんな芸術的な殺人ができる筈はねえや」

「ハッハッハ。一刀彫の彫刻よりも名作らしいですかねえ」