Japanische Klassiker mit Furigana
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かげおとこ
影男
江戸川 乱歩
Lesen Sie 影男 (かげおとこ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 154.133 Zeichen · 310 Bildschirme
そして、ところどころへ杭を打ったり、なわを張ったりして、地盛りの用意をはじめたのだ。しかし、綿貫にはそんなものを見ている必要はなかった。穴埋めが終わったとき、親方のほうはまだ仕事のさいちゅうだったが、
「親方、あとは任せるから、なにぶんよろしく。地盛りができあがった時分に、また見に来るからね」
と、声をかけておいて、急いでその場を引き揚げた。これで死体隠匿の第二段の処置も終わり、すべてが完了したのである。
古井戸の深さは四メートルほどあったから、たとえこの土地が人手に渡っても、地下室のあるビルでも建てないかぎり、死体が掘り起こされる心配はなかった。綿貫氏は、ビルを建てるような相手には、けっして地所を売らないであろう。いや、かれが生きているあいだは、おそらくこの土地は、どんな買い手にも売られることはないであろう。
影男は、春木、二宮夫人に死体隠匿談義を聞かせたとき、土に埋めるのは最も初歩の手段で、発覚しやすいようにいったが、それは死体を埋めるためにわざわざ穴を掘る場合のことであった。穴を掘り、ふたたびそれを埋めれば、どんなに巧みに隠しても、けっきょくは土の色で掘った跡がわかり、発覚の端緒となる。