Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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のちのなりひらぶんじ

後の業平文治

三遊亭 円朝

Lesen Sie 後の業平文治 (のちのなりひらぶんじ) von 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.545 Zeichen · 216 Bildschirme

Aozora Bunko

文「いや、これほどの島に人の上らぬ事はあるまい、何処(どこ)にか住居(すまい)があるに違いない」

と心を励まして或(あるい)は上(あが)り或は下(くだ)り、彼是一里余も捜しましたが、人の居そうな模様はございませぬ。もとより用意の食事は無し、腹は減る、力は抜ける、進退こゝに谷(きわ)まって、どっかと尻を据(す)えまして、兎(と)やせん角(かく)やと思案に暮れて居りまする。

文「最早十二月の中旬(なかば)、妻は何処(どこ)に何(ど)うしている事やら、定めし今頃は雪中に埋(うず)もれて死んだであろう、さなくば色里に売られて難儀をして居(お)るか、救いたきは山々なれども、此の身さえ儘ならぬ無人島の主(あるじ)、思えば我が身ほど不運な者はない、いや/\愚痴を溢(こぼ)すところでない、海上にて彼(あ)の難風(なんぷう)に出会い、幸(さいわい)に船は覆(くつがえ)りもせず、此の島に漂い着いたというのは……それのみか海賊の口から敵(かたき)の在処(ありか)の知れしは是ぞ神の助けであろう、あゝ無分別な事をしては第一神様に対しても相済まぬ」

と心を取直して又々一里ほど行(ゆ)けども/\人の足跡さえござりませぬ。