Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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のちのなりひらぶんじ

後の業平文治

三遊亭 円朝

Lesen Sie 後の業平文治 (のちのなりひらぶんじ) von 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.545 Zeichen · 216 Bildschirme

Aozora Bunko

三十七

紋左衞門は一服吸って煙草盆を叩きながら、

紋「その剣術の先生様がな、お前様(めえさま)の字イ書くのを見て、此の女ア只者(たゞもの)じゃア無(ね)えちゅうて、わざ/″\越後からお前様に会いにござらしって、私(わし)が家(うち)にいるだ、悪い事アあんめえから、ちょッくら私が家へござらっしゃい」

お町は暫く考えて居りましたが、

町「えゝ其の先生と申すのは、まったく江戸のお方でございますか」

紋「言葉の様子では全く江戸のお方に相違ねえだ」

時にお町は、

「その剣術の先生というのは若(も)しや蟠龍軒ではないか知らん、まこと蟠龍軒にしたところが、夫の誡(いまし)めもあるゆえ我身一人で手出しはならぬ、また蟠龍軒にあらずとも、江戸のお侍に此の今の姿を見られるのも心苦しい」

と思いまして、

町「はい、あなたの御親切はまことに辱(かたじけ)のうございますが、零落(おちぶ)れ果てたる此の姿、誰方(どなた)かは存じませぬが、江戸のお侍に会いますのは心苦しゅうございます、何卒(どうぞ)お断り下さいまし」

紋「いや、それは宜(よ)くあんめえ、たとえ昔は何様(どん)な身分だっても今は今じゃねえか、海賊を退治して御領主様から莫大(ばくだい)の御褒美を頂きなすった