Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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のちのなりひらぶんじ

後の業平文治

三遊亭 円朝

Lesen Sie 後の業平文治 (のちのなりひらぶんじ) von 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.545 Zeichen · 216 Bildschirme

Aozora Bunko

文「そんな事は何(ど)うでも宜(よ)い、早く中食を」

主「今から何うでも往(い)かっしゃるか、十里べえありやすぜ」

文「次第に依(よ)っては一晩ぐらい途中へ泊っても苦しゅうない」

主「さア駄目でがす、雨え降ってまいりやした」

文「ウーム、何処(どこ)まで天道様は此の文治をお憎(にくし)みなさるか、これしきの雨、何程のことやある、それッ」

と身軽に打扮(いでた)ち、夜(よ)に入(い)るも厭(いと)わず出立いたしますると、途中から愈々(いよ/\)雨が烈(はげ)しくなりましたので、余儀なく一泊いたしまして、翌日二居峠の三俣村という処へまいります。日はとっぷりと暮れて足元も分らぬくらいになりました。地の理は宜(よ)く聞いてまいりましたから、岐路(わかれみち)に迷いもせず、足元を見ては歩一歩(ほいっぽ)山深く入ってまいりますると、大樹(だいじゅ)の蔭からのっそりと大熊が現われ出でました。流石(さすが)の文治も恟(びっく)りして、思わず二三歩後(あと)へ退(さが)り、刀の柄(つか)に手を掛けて寄らば突かんと身構えましたが、更に飛付く様子もなく、先に立って後(うしろ)を振向き/\心ありげに奥深くまいります。