Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

おうまじるしはいしゃく

御馬印拝借

山本 周五郎

Lesen Sie 御馬印拝借 (おうまじるしはいしゃく) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.483 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

かなりながいあいだ待たされた、そしてやがて人の来るしずかな足音がした。それは勘兵衛ではなくてむすめの信夫だった、年は十八歳になる、とびぬけて美しいとはいえないが「三村の信夫どの」とかなり評判である、それは信夫の眼のためかも知れない、幼い頃からたいそう情ぶかい性質で、ひとが蜻蛉を捕るのを見ても泪ぐんでしまう、犬の仔や猫の仔をみるとすぐにふところへ掻き抱かずにはいない、召使の者が叱られても泣きだす、そういう気心がそのまま表われているような眼だった、みつめられるだけでこちらの心が温かくなり、生きていることさえがたのしくなるような眼であった。「このたびはおめでとうございます……」信夫は手をついてつつましく挨拶をした、暇どったのは身じまいをして来たからであろう、うすく化粧をして、余るほどの黒髪からは燻きしめた香が匂ってくる、源七郎は黙って会釈を返した、信夫はしずかに持って来た袱紗包をさしだしながら「……父からお引出物にと申します、お恥かしい品ではございますがお納め下さいますよう」そう云って低く頭をさげた。「かたじけのうござる、頂戴つかまつる……」