Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
Lesen Sie 復員殺人事件 (ふくいんさつじんじけん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.621 Zeichen · 195 Bildschirme
「さア、どうですかね。一番小量だからクサイことは事実でしょう。しかし、この事件には、常に裏がありますよ。又、裏の裏も、その又、裏さえありますぜ。犯人らしく見えるのは、同時に、そう見せかける誰かの作為でもありうる。美津子さんの場合もそうでしょう。ところがその作為を、他の犯人がやっているのかも知れませんし、又本人自身がやっているのかも知れません。まったく、すべて表面だけでは済みませんし、その裏だけでもおさまりません」
「なるほど。しかし、君はこの暗示をどう解釈しているのかね」
「まア、あんまり、こだわらず、当分そッとしておく方がいいですよ。しかし、三人の飲んだ分量が、ちょッと違いすぎますよ。どうも薄気味の悪い話ですよ」
そんな話をしているところへ、電話のベルが鳴った。
受話器をとりあげた刑事が、
「ハ、そうです。エ? 倉田さんですか。エ、なんですって、ハ、ハ、すぐ参ります」
ガチャリと受話器をおいて、大矢主任に向かい、
「又、倉田家に事件ですよ。久七らしい声で報らせて来ました。定夫が苦悶しているそうです。何か中毒らしいそうです」
一座はサッと蒼ざめてしまった。