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Japanische Klassiker mit Furigana

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ふくいんさつじんじけん

復員殺人事件

坂口 安吾

Lesen Sie 復員殺人事件 (ふくいんさつじんじけん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.621 Zeichen · 195 Bildschirme

Aozora Bunko

「それは、あなた、カギですもの、内側からでも、外側からでも、自由自在にあけられます。さもなきゃ、大変じゃありませんか」

「お前は、安彦さんが起久子さんを殺したと云ったね。ところが、起久子さんの殺された一時間も前に、安彦さんが誰かに絞め殺されていたのだよ」

「そんな。それは、嘘でしょう」

そう云いながら、然し、モトの全身が硬直したようであった。

「よろしい。嘘か、本当か、見せてあげよう。さア、一緒に行ってみようじゃないか。実は、私も、まだ、その部屋を見ていないのだよ」

捜査主任を先頭に、巨勢博士と私もついて行った。モトはちょッと尻ごみしたが、巡査に両側からつきそわれて、仕方なしに歩きだした。

今しも現場は、鑑識の人々が指紋をとり終り、写真も撮し終ったところであった。

安彦は寝台の上に、俯伏せになり、ヒモにまかれて何の苦もなくクビリ殺されていた。俯伏した顔をもたげてみると、汚物を一握りほど吐いている。それは殆ど消化されていなかった。

「指紋はでたかね」

捜査主任は三村刑事にきいた。

「かなり出ております」

「その女の指紋をとりたまえ」

こう云われて、モトはふるえた。