Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
Lesen Sie 復員殺人事件 (ふくいんさつじんじけん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.621 Zeichen · 195 Bildschirme
素早い奴で、誰だかまったく分りませんが、男でしたと思います」
「なぜ男とわかったね」
「素早いからですよ。第一女があの道を夜歩きしませんよ」
「お前が家へ戻ったとき、まだ帰宅しなかったのは誰々だね」
「女はみんな家にいました。野郎共は一人もいません。なぜ分るかと申しますと、そのちょッと前に安彦様へ赤紙が来て、皆さん広間へ集って、ワアワア噂していたからですよ。カンジンの野郎共が一人も姿が見えなかったんですよ」
「お前が帰宅したのは何時だね」
「五時半でした。ふだん時間など気にしませんが、夕飯の仕度がおくれるのを気にしていましたから、時計を見ると五時半すぎです」
これは甚だ重要な証言だった。五時半すぎまでは、男は一人も帰宅しなかったのである。
男たちの帰宅の順は次のようである。久七(五時四十五分ごろ)それから約十分おくれて安彦と定夫の兄弟が同時に戻ってきた。滝沢三次郎は六時四五十分ごろ帰宅した。由之は事件が起って報らせが行くまで、妾宅で酒をのんでいた。
各人が自供しているアリバイは次のようであった。
久七。野球場の周辺の山で、焚木をひろっていた。六七貫の薪を背負って帰宅している。