Japanische Klassiker mit Furigana
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ふっかつさい
復活祭
久生 十蘭
Lesen Sie 復活祭 (ふっかつさい) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.018 Zeichen · 23 Bildschirme
という割烹店をやっていたが、紐育へ発つ日まで二人でその世話になった。狭い町の両側に寿司、蕎麦、お座敷天婦羅、おでんと、こんなにまでと呆れるほど食べものやばかりが並び、町幅だけの自動車の列がクラークソンや号笛を鳴らしながら、朝から夜中まで黒い流れのように切れ目もなく動いている。土地の日本人は英語まじりのなげやりな日本語で喧嘩でもしているように話し、落着きなどはどこを見てもない。情けない町もあるものだと、鶴代はそのときからアメリカの生活が嫌いになった。
紐育の邦人会は外交官や銀行関係を代表する一派と、店員や小商人などの一派、下宿屋、宗教団体、学生倶楽部を中心とする一派と三つのサークルにわかれているが、そのほかに在留邦人名簿に名が載っていない第三街組といわれている組がある。西部から中西部を経て東部に流れこんだ、博奕打ち、喧嘩師などの渡世人、脱走船員、密入国者、密買行商人といった、日本の夢も見ない連中だけがつくっている大きなサークルで、ほとんどみな第三街に住み、邦人のクラブなどには絶対に顔をださない。
鶴代の母の店も第三街のまん中にあった。小原東城の繩張りで、三階のホールが賭場になり、手の指に爪のない本職のバクチウチがいつも七、八人いて客を待っていた。