Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくしゅう
復讐
夢野 久作
Lesen Sie 復讐 (ふくしゅう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.695 Zeichen · 46 Bildschirme
「ハハア……詰め換えないままにですな」
「そうです。ほかの弾丸は、弾丸帯にキチンと並んでいて、一発も撃った形跡が無いし、弁当や水筒にも手がつけてないところを見ると、源次郎氏は、あの一本榎の平地へ登り着くと間もなく、何かに向って二発の散弾を発射した。そうして後を詰めかえる間もなく谷川に転げ落ちて死んだものらしいと云うのです」
「ヘー……その辺がどうも可笑しいようですな」
「おかしいんです……源次郎氏は、今もお話した通りあの辺の案内ならトテモ詳しい筈ですからね。おまけに月夜の雪の中ですから、足場は明るいにきまっているし、余程の強敵に出会って狼狽でもしなければ、そんな目に会う筈は無いと云うのです」
「いかにも……その考えは間違い無さそうですな」
「僕にもそう思えるのです。しかし何しろ、その屍体の上には、岩と一と続きに、雪がまん丸く積っていた位で、附近には何の足跡も無いために、犯人の手がかりが発見出来なくて困ったそうです」
「そうですねえ。あとから雪が降らなかったら何かしら面白いことが発見出来たかも知れませんが……」
「そうです。尤も雪というものは人間の足跡から先に消え初めるものだと村の猟師が云ったとかいうので、雪解けを待って今一度、現場附近を調べたそうですが、源次郎氏が通る前にS岳峠を越えた者は一人や二人じゃなかったらしい