Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくしゅう
復讐
豊島 与志雄
Lesen Sie 復讐 (ふくしゅう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.806 Zeichen · 20 Bildschirme
夢の中の私は、彼女の枕頭に坐って、酒の酔いに、上体をふらふらさせ、それでも、こそとの物音も立てず、眼は半眼に閉じ、いつまでも坐りつくしている。何かしきりに言ってるようであり、彼女も応答してるようだが、どちらの言葉も声には出ない。しんしんとした肌寒さだ。その雰囲気が、さっと乱れて、なにか兇悪なものとなり、照代はぱっとはね起きた。――とたんに、私の夢は消えた。
私は瞼を開いたが、二燭光の電球が瞳にしみ、また瞼を閉じた。瞼の裡に、不吉な不安なものが残っている。それに逆らう気持ちで、逆にそれを追っていると、うとうと眠ったらしく、また夢をみた。同じく、照代が私を夢みてるところを夢にみた。どういう場面だか分らなかったが、とにかく、彼女が私を夢にみてることだけは、いやにはっきりしている。その明瞭な一事だけを、夢の中で見つめながら、私は眼を覚したが、覚めてもなお、その一事を見つめ続けた。それから骸然と飛び起きた。
壁に突き当った感じだった。丹前をひっかけて、室内を歩き、煙草を吸い、思い直して布団にもぐったが、なかなか眠られず、ウイスキーを飲んだ。そして酔いながら、私はばかげたことを思いつき、それを実行してみようと考えたのである。