Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
びしょう
微笑
横光 利一
Lesen Sie 微笑 (びしょう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.911 Zeichen · 50 Bildschirme
便便として為すところなき梶自身の無力さに対する嫌悪や、栖方の世界に刃向う敵意や、殺人機の製造を目撃する淋しさや、勝利への予想に興奮する疲労や、――いや、見ないに越したことはない、と梶は思った。そして、栖方の云うままには動けぬ自分の嫉妬が淋しかった。何となく、梶は栖方の努力のすべてを否定している自分の態度が淋しかった。
「君、排中律をどう思いますかね、僕の仕事で、いまこれが一番問題なんだが。」
梶は、問うまいと思っていたことも、ついこんなに、話題を外らせたくなって彼を見た。すると、栖方は「あッ、」と小声の叫びをあげて、前方の棚の上に廻転している扇風機を指差した。
「零点五だッ。」
閃めくような栖方の答えは、勿論、このとき梶には分らなかった。しかし、梶は、訊き返すことはしなかった。その瞬間の栖方の動作は、たしかに何かに驚きを感じたらしかったが、そっとそのまま梶は栖方をそこに沈めて置きたかった。
「あの扇風機の中心は零でしょう。中の羽根は廻っていて見えませんが、ちょっと眼を脱して見た瞬間だけ、ちらりと見えますね。あの零から、見えるところまでの距離の率ですよ。