Japanische Klassiker mit Furigana
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しんりしけん
心理試験
江戸川 乱歩
Lesen Sie 心理試験 (しんりしけん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.728 Zeichen · 46 Bildschirme
併し、どれにもこれにも、発覚の可能性が多分に含まれていた。
どうしても老婆をやっつける外はない。彼は遂にこの恐ろしい結論に達した。老婆の金がどれ程あるかよく分らぬけれど、色々の点から考えて、殺人の危険を犯してまで執着する程大した金額だとは思われぬ。たかの知れた金の為に何の罪もない一人の人間を殺して了うというのは、余りに残酷過ぎはしないか。併し、仮令それが世間の標準から見ては大した金額でなくとも、貧乏な蕗屋には十分満足出来るのだ。のみならず、彼の考によれば、問題は金額の多少ではなくて、ただ犯罪の発覚を絶対に不可能ならしめることだった。その為には、どんな大きな犠牲を払っても、少しも差支ないのだ。
殺人は、一見、単なる窃盗よりは幾層倍も危険な仕事の様に見える。だが、それは一種の錯覚に過ぎないのだ。成程、発覚することを予想してやる仕事なれば殺人はあらゆる犯罪の中で最も危険に相違ない。併し、若し犯罪の軽重よりも、発覚の難易を目安にして考えたならば、場合によっては(例えば蕗屋の場合の如きは)寧ろ窃盗の方が危い仕事なのだ。これに反して、悪事の発見者をバラして了う方法は、残酷な代りに心配がない。