Japanische Klassiker mit Furigana
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かいそう
快走
岡本 かの子
Lesen Sie 快走 (かいそう) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.273 Zeichen · 11 Bildschirme
陸郎はなかなか帰って来なかった。母親はじりじりして待っていた。そのうちに道子が帰って来てしまった。
「また例の通り長湯ですね。そんなに叮嚀に洗うなら一日置きだってもいいでしょう」
「でもお湯に行くと足がほてって、よく眠れますもの」
兎も角、眠れることは事実だったので、道子は真剣になって言えた。母親は
「明日は日曜でお父様も家においでですから、昼間私と一緒に行きなさい」
と言った。道子は何て親というものはうるさいものだろうと弱って
「なぜそう私の長湯が気になるの。眠る前に行く方がいいけれど、それじゃ明日は昼間行きましょう」
道子は一日ぐらいは我慢しようと諦めた。それが丁度翌日は雨降りになった。道子は降り続く雨を眺めて――この天気、天祐っていうもんかしら…………少くとも私の悲観を慰めて呉れたんだから…………そう思うと何だか可笑しくなって独りくすくす笑った。
お昼過ぎに母親と傘をさして済した顔でお湯に行った。
「そんなに長くお湯につかってるんじゃありませんよ」
母親が呆れて叱ったけれど、道子は自分の長湯を信用させるために顔を真赤にしてまで堪えて、長くお湯につかっていた。