Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おもいでのき

思い出の記

小泉 節子

Lesen Sie 思い出の記 (おもいでのき) von 小泉 節子 (こいずみせつこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.841 Zeichen · 62 Bildschirme

Aozora Bunko

ある夜十一時頃に、階段の戸を開けると、ひどい油煙の臭が致します。驚いてふすまを開けますと、ランプの心が多く出て居て、ぽっぽっと黒煙が立ち上って、室内が煙で暗くなっています。息ができぬようですのに、知らないで一所懸命に書いて居るのです。私は急いで障子を明け放って、空気を入れなどして、『パパさん、あなたランプに火が入って居るのを知らないで、あぶないでしたねー』と注意しますと『あゝ、私なんぼ馬鹿でしたねー』と申しました。それで常には鼻の神経は鋭い人でした。

『パパ、カムダウン、サッパー、イズ、レディ』と三人の子供が上り段のところから、声を揃えて案内するのが例でした。いつも『オールライト、スウィートボーイス』と云って、嬉しそうに、少し踊るような風で参りますのでございます。しかし一所懸命の時は、子供だちが案内致しましても、返事がありません。また『オールライト』と早く返事を致しません。こんな時には、待てども待てどもなかなか食堂に参りませんから、私がまた案内に行きます。『パパさん沢山時、待つと皆の者加減悪くなります。願う、早く参りて下され。子供、皆待ち待ちです』