Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうこうじゅうさんじかん
急行十三時間
甲賀 三郎
Lesen Sie 急行十三時間 (きゅうこうじゅうさんじかん) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.724 Zeichen · 24 Bildschirme
尤も私は彼の顔を知らなかったのだが、流石に彼は探偵だ、私を見ると、男らしい聡明そうな顔をニコニコさして、私は木村ですが、私の所へ御出になったのではないか、と尋ねて呉れたのだ。
木村は私の依頼を聞くと快く引受けて、彼の部下を私につけて呉れる事になった。今私の隣に寝ているのがそれである。(大方寝たふりをしているのだろうが)
こう云う訳で私のポケットには一万円の金が潜んでいるのだ。そうして私は八方に気を配らねばならないのだ。
怪しい二人の男はいつの間にか変装の話を始めている。
「西洋の探偵小説を読みますとな」頬骨の出た一癖ありそうな男が云う。彼は何だかポリポリ喰べている。「変装と云う事が盛に行われているが、之は日本人には中々むずかしい事ですて」
「左様左様」老人は元気よく答える。「昔はな、髷を結うとったから、何じゃ、武士になったり、町人になったり、多少は姿が変えられたて。俺なども上野の戦争で逃げた時には千住で町人の姿になってな、イヤ危い目に会うたものじゃ」
「ほほう、上野の戦争とは古い事ですな」頬骨の男は驚いている。そうして膝の上に置いた小い鑵の中に手を入れてはポリポリ喰べている。