Japanische Klassiker mit Furigana
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あやしのやかた
怪しの館 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 怪しの館 短編 (あやしのやかた) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.915 Zeichen · 165 Bildschirme
井伊様がご大老にお成りになられるや、梅田源次郎様や池内大学様や、山本槇太郎様というような、勤王の志士の方々を、追求して捕縛なさいまして、今後も捕縛の手をゆるめそうもなく、そこで以前から勤王僧として、公卿と武家との仲を斡旋したり、禁裡様から水戸藩へ下されましたところの、密勅の写しを手に入れて、吉之助様のお手へお渡しになったりして、国事にご奔走なさいましたところの、ご上人様のご身辺も危険になられました。それを近衛様がご心配あそばされ、吉之助様にお頼みになり、ご上人様をどこへなと安全なところへ、お隠匿いなさろうとなされましたので。最初はご上人様の知己の多い、奈良へでもということでございましたが、意外に捕吏の追求が烈しいので、薩摩へということになったのでございます。
竹田街道の立場茶屋の変事も、何事もなく済みまして、無事わたしたちは伏見に着きました。それから船で淀川を下り、夕刻大坂の八軒屋に着き、上仲仕の幸助という男の家へ、ひとまず宿をとりました。わたしたちが大坂におりましたのは、二十四日まででありましたが、この間に鵜飼吉左衛門様や、そのご子息の幸吉様や、鷹司家諸太夫の小林民部輔様や、同家のお侍兼田伊織様などという、勤王の方々が幕府の手により、続々捕縛されまして、ご上人様追捕の手も厳しくなったという、そういう情報