Japanische Klassiker mit Furigana
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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
Lesen Sie 怪塔王 (かいとうおう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.635 Zeichen · 337 Bildschirme
「うむ。――」
と帆村は、怪塔王が放ったいたい言葉に、思わず呻きました。
ああなんという奇襲のおどかし文句でしょう。たしかに怪塔王の一言は、帆村の心臓をぷすりとさしとおしたようです。
怪塔王の首全体をつつんだ風呂敷の下には、一体どんなおそろしい顔があるのでしょうか。帆村でなくても誰でも、覆面の下をみることはおそろしい気持がするではありませんか。
殊にここは、隣家というものもないふかい海底に、横だおしになっている怪塔ロケットの中です。鬼気はひしひしと迫り、毛孔は粟のつぶのようにたちます。
「なあに、そんなおどかし文句に、誰がのるものか」
と帆村は、ふりはらうように言いかえしました。
「それなら、マスクをはやく。――」
と怪塔王は、せきたてます。
帆村は、ついに変な気持にとらわれながら、なにほどのことがあろうかと気をふるいおこし、両手を怪塔王の首のうしろにまわして、風呂敷の結び目をときにかかりました。そのとき、さすがの帆村も、この覆面の下の怪塔王の顔を見るのをおそろしく感じたものか、怪塔王の首のうしろにまわした両手が思わずぶるぶるとふるえました。
怪塔王は、そうなるのを、さっきから熱心に待っていたようです。