Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

Lesen Sie 怪塔王 (かいとうおう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.635 Zeichen · 337 Bildschirme

Aozora Bunko

帆村の体は、ごろりと一転して、どぶんと荒潮のなかにおちてしまいました??

2

「あっ、落ちた!」

大利根博士は、思いがけないできごとに、殺人光線灯のボタンをおすことを忘れて、帆村の落ちた荒びる水面をきょろきょろとながめました。

大きな水音は、しばらく洞穴のなかを、わぁんわぁんとゆりうごかしていましたが、やがてそれも消えてしまいました。

「ど、どこへ行ったんだろうか。溺れてしまったのか、それとも渦にまきこまれてしまったかな」

ぼんやり黄いろく光る魚油灯を、海水のちかくへずっとさしだして見ましたが、帆村の頭も見えず、水を掻く音さえきこえませんでした。荒潮のなかに落ちた帆村は、そのままどこかへ姿を消してしまったのです。

とうとう帆村は、浪にのまれて溺れ死んでしまったのでしょうか。それとも何所かに生きているのでしょうか? 洞穴のなかを、荒潮は大臼をひきずるような音をたて、あいかわらずはげしい渦巻をつくって流れています。この荒潮は、帆村探偵の生死をたしかに知っているはずでありますが、残念にも口をきくことができません。

ところが、その帆村探偵は、しばらくしてはっと我にかえりました。