Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かいむ
怪夢
夢野 久作
Lesen Sie 怪夢 (かいむ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.100 Zeichen · 23 Bildschirme
て考えたが……間もなく私はハッと気付いた。眼をまん丸く剥き出して、その顔を見上げた。
それは私が予想した通りの顔であった。……青白く痩せこけて……髪毛をクシャクシャに掻き乱して……無精髪を蓬々と生やして……憂鬱な黒い瞳を伏せた……受難のキリストじみた……。
それは私であった……嘗てこの病院の医務局で勉強していた私に相違なかった。
私の胸が一しきりドキドキドキドキと躍り出した。そうして又ドクドクドク……コツコツコツコツと静まって行った。
診察着の背後の巨大な建物の上を流れ漂う銀河が、思い出したようにギラギラと輝いた。
……と……同時に私は、一切の疑問が解決したように思った。私を精神病患者にして、この檻に入れたのは、たしかにこの鉄格子の外に立っている診察着の私であった。この診察着の私は、あまりに自分の脳髄を研究し過ぎた結果、精神に異状を呈して、自分と間違えてこの私を、ここにブチ込んだものに相違なかった。この「診察着の私」さえ居なければ私は、こんなにキチガイ扱いされずとも済む私であったのだ。
そう気が付くと同時に私は思わずカッとなった。吾を忘れて、鉄檻の外の私の顔を睨み付けながら怒鳴った。