Japanische Klassiker mit Furigana
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かいきじんぞうとう
怪奇人造島
寺島 柾史
Lesen Sie 怪奇人造島 (かいきじんぞうとう) von 寺島 柾史 (てらしままさし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.159 Zeichen · 87 Bildschirme
それにしても、どうして、この怖ろしい密猟船を脱することが出来ようか。
脱船か奪船か
虎丸は、案の定、北千島の無人島オンネコタン島近海で、白昼公然とラッコやオットセイを密猟した。それから、日本の極北パラムシロ島近海へ往って、何食わぬ顔で、日本の漁船から、紅鮭をうんと買込んで、ラッコやオットセイといっしょに、冷凍室に詰込んでしまった。
それは、日本の監視船や、警備艦の眼を、巧みに脱れるためだった。こうしておいて、ふたたび、千島の無人島を荒し廻ろうというのだ。
虎丸が、パラムシロ近海を去って南下したのは、八月上旬だった。そして、数十海里南西のアブオス島に向った。この沿岸は、ラッコの棲息地として名高いし、また洋上には、オットセイが、おびただしく群游する。白人の密猟者にとっては、千島第一の猟場なのだ。
虎丸は、アブオス島沖に仮泊すると、いよいよ最後の密猟を開始した。五艘の端艇は、早朝から、海霧を破って猟に出かけるが、夜半には、いずれも満船して戻ってくる。船長はじめ、乗組員たちはハリ切っている。哀れな臨時雇の水夫たちも、あとで海ン中へ放り込まれるとは知らずに、やはりハリ切っている。