Japanische Klassiker mit Furigana
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かいきじんぞうとう
怪奇人造島
寺島 柾史
Lesen Sie 怪奇人造島 (かいきじんぞうとう) von 寺島 柾史 (てらしままさし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.159 Zeichen · 87 Bildschirme
夢ではないかとおもったが、夢ではない証拠に、左胸部の創が、烈しく痛んでいる。咽喉が渇いて、相当に高熱だ。
「奇蹟だ!」陳君は、おもわず呟くと、
「いや、奇蹟ではない。科学の勝利じゃ」
と、応えるものがあった。顔をあげてみると、ベッドの傍で白衣白髪の怪老人が葉巻をくわえながら、薄笑をうかべている。
「あッ!」
「驚くことはいらぬ。わしは、亡霊ではない。このとおり、足もくっついているよ。ハ……」
「あなたは、何処から来たのです?」
「わしは、元からこの船にいたよ。このどろぼう船の船医じゃ」
「山路君は?」
「わしに怖れて、海へ飛込んで死んだよ」
「えッ! では、豹のような水夫は? 僕をピストルで射殺したあの水夫は……」
「あれも、ボーイと一緒に、海へ飛込んだ。いまごろもう、鱶の餌食になったことだろう」
「では、もうこの船には?」
「そうじゃ、おまえと、わしと二人きりじゃ」
「僕は、ほんとうに生きているのですか」
「ハ……。疑うのも無理はない。心臓を射貫かれ、死んだはずのおまえが、そこに生きているのだからなア……」
「誰が、僕を生かしてくれたのです」
「生かしてもらって、不服かな」