Japanische Klassiker mit Furigana
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かいきじんぞうとう
怪奇人造島
寺島 柾史
Lesen Sie 怪奇人造島 (かいきじんぞうとう) von 寺島 柾史 (てらしままさし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.159 Zeichen · 87 Bildschirme
「なるほど、その約束を忘れず、わしをかばってくれるのか、ありがたい。わしは、日本人の仁侠の精神に涙ぐまれる」
「そんなことはありません。僕は、あなたの科学の才能を、もっと、世界人類のために働かしてもらいたいとねがうのです。そのために、懸命に、あなたをたすけているのです」
「ありがとう、ありがとう。わしは、きっと、生き抜いてみせる」
大浪がくるたびに、方船は、顛覆しそうになる。
嵐に吹きつけられて、方船はほとんど浪に没することさえあった。
何よりも苦痛なのは、暴風雨に見舞われることだ。天蓋のない建物の屋根の上に、わずかに取すがっている僕等だから、豪雨には徹底的に叩きつけられる。が、この豪雨は、また漂流者にとって天の恵みでもあった。屋根の窪みなどに、雨水が溜るからだ。僕等は、それによって、渇を医やすことができ、雨水を呑んで、わずかに飢えを凌ぐのだった。
ときには、晴れた、気持のよい日和もあった。海洋は浅みどりに輝き、浪もおだやかで、方船の動揺も殆どなかった。こういう時に、僕は自分のきているジャケツの毛糸を解き、その毛糸を幾本かあつめて撚糸にし、また、屋根板から一本の釘を抜取って、これを曲げて釣針をつくって釣りをした。