Japanische Klassiker mit Furigana
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ハムレット
怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット
久生 十蘭
Lesen Sie 怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット (ハムレット) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 72.034 Zeichen · 142 Bildschirme
その後ろから、革の半外套に革のゲートルをつけたナターシャ・イワーノヴナが出て来た。
モローゾフ教授と、ナターシャの二人きり。その後ろに続くものはなかった。これがまず、五人に意外な思いをさせた。それに、どちらも、五人が想像していたような剽悍な装備はしていなかった。自動小銃も持っていなければ、弾帯もつけていない。教授の手に一梃の拳銃があるだけだった。
例のとおり、非人情、冷酷な眼つきをしているが、見るからに憐れを催すほどひどく憔悴し、シャツもズボンもズタズタに裂け、ところどころに、とっぷりと血の斑をつけていた。
ナターシャのほうは、もっとひどかった。外套の衿元は無慙にひき裂け、じかに露われた白い肩のところに、獣の爪にでもられたような、ゾッとするような傷がついていて、そこから生々しい血が竪に筋をひいていた。
教授は、一同から二十フィートほど離れたところに立ちどまって、感情の翳のささない、一種沈鬱な眼差で、ゆっくりと、ひとりひとりの顔を眺めはじめた。
二人の惨めなようすを目撃したとき、一同の心には、咄嗟のうちに、期せずして同じような作戦ができ上っていた。