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Japanische Klassiker mit Furigana

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ハムレット

怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット

久生 十蘭

Lesen Sie 怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット (ハムレット) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 72.034 Zeichen · 142 Bildschirme

Aozora Bunko

わたしはつとめておだやかな調子をつくりながら、

「やられたね、おれの負けだよ、もう観念した」といいますと、鮎子はにやりと笑って、「こんなことをするのも、あなたとお別れしたくないからなのよ。こんなにまで惚れてしまったあたしを、すこしはかわいそうだと思ってちょうだい」

「思うよ」

「なんといっても、あたしははっきり見とどけてしまったんですからあなたも観念して、父のいうとおりになってくれない。わたしからはなにもいいませんから、あなたいいぐあいに報告して機嫌をとってちょうだい。父に逆らうことだけはやめなさい。あなたが死ぬのを見るのはいやよ」

「だから観念したといっているじゃないか、よくわかった。君のいうとおりにしよう。これで話がきまったんだから、おれにも一杯くれないか」というと、鮎子はうまい手つきでフィーズをつくってわたしの前へ置きました。

わたしは鮎子と別れると、鮎子のいうことなどを信用して安心していたらどんなことになるか知れたものではない、ともかく今夜のうちにハムレットを連れて逃げるほうがいいと思いながら謁見室の入口まで来ると、どうしたのか急に耐えがたい倦怠を感じて壁に凭れたと思うと、そのままずるずるとそこへ崩れおち、そのとき空襲警報のサイレンを聞いたと思いましたが、それっきり意識を失ってしまいました。