Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ハムレット

怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット

久生 十蘭

Lesen Sie 怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット (ハムレット) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 72.034 Zeichen · 142 Bildschirme

Aozora Bunko

「おれにしたって君にそんな力があるとは思っていない」

「わかってもらえば幸福だが、君とわれわれの一家は、とうてい両立しない星のめぐりあわせになっているんだね。どうせいままで君は不幸だったのだから、ついでにもうすこし不幸になって、われわれの一家が安心して生活できるようにしてくれないかね」

「どうすればいいんだ」

「君がもう一度気狂いになってくれるといちばんいいのだが、それができなかったら死んでくれるわけにはいかないか」

「僕は財産なんかに未練はないから、とりかえそうなどと思っていない。それは誓ってもいいのだが、それではいけないのか」

「それではやはり困る。いつ君の気持が変るかわからないし、安心できるわけのものではなかろうじゃないか」

「ではどうしてもおれを殺すというのか」

「とんでもない。おれにしろ、琴子にしろ、また鮎子にしろ、君を殺そうなどとかんがえている人間はここには一人もいない」

「どうもよくわからない」

「じぶんで死んでもらいたいといってるんだよ。それも、血だらけになったり、われわれの眼の前で苦悶したり、このへんへ死骸を投げだしておいたりしてはこまる。贅沢をゆるしてもらえるなら、なるたけ美的にわれわれにすこしの悪い印象も残さないように、消えるように死んでもらいたいんだ」