Japanische Klassiker mit Furigana
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ハムレット
怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット
久生 十蘭
Lesen Sie 怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット (ハムレット) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 72.034 Zeichen · 142 Bildschirme
「こうなると、なんだか死ぬことも楽しくなってきた。では死のう」
「ようやく決心してくれたか。急がせるようで悪いが、もうまもなく二時だ、そろそろとりかかってくれないか」
「死ぬ前に、この道化た服をぬいでさっぱりしたいもんだ。背広はないかね」
琴子の声で「そのへんに北山のスーツがあるはずよ。探してくるわ」
まもなく鮎子の声で、「よくお似合になってよ。お若くなったわ」
「ありがとう。じゃ、行くよ」
「いいころにわれわれが行く」
小松が硝子扉をあけて庭へ出て行きました。それから十分ほどすると阪井が、「おい、ショベルは出ているか」とたずねますと、琴子の声で、
「ええ、三本出してあります」とこたえました。「もういいでしょう。そろそろまいりましょうか」
「ああ、行こう」といって一本ずつショベルをかついで庭へ出て行きましたが、防空壕のそばへ行くと阪井が大きな声で、
「小松君、君はもう死んだかね」と声をかけました。防空壕の中から、
「ああおれはもう死んだよ」
と小松の返事がかすかにきこえました。
駒込のほうでうなっていた編隊の爆音がだんだんこちらへ近づいてきましたが、三人はそんなことには頓着なく、せっせと防空壕の中へ土を投げこみはじめました。