Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ハムレット

怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット

久生 十蘭

Lesen Sie 怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット (ハムレット) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 72.034 Zeichen · 142 Bildschirme

Aozora Bunko

「待ってけれ、親爺、頼むから、待ってけれ」

「おらのほうも、頼むから、……頼みだから……」

「あぶねてのに、……ちょっと……ちょっと、この手ばどけてけれ……」

そういいながら、ずるずると曳きずられて行く。眼もあてられないようすで、河岸まで青年を引っぱって行くと、

「いっしょにな、留」

横ざまに泥洲の中へ突き飛ばした。留吉は、うわアー、と絶叫して、頭から先に平らに泥洲の中へ落ち込む。間髪をいれずに老人も、鎖に引かれて、これも滑り込むように、ズブズブと足の方から陰険なようすをした泥河の中へはまりこんで行った。泥の上を流れている、浅い河の面に、ちら、と留吉の手の先らしいものが見えたが、それも瞬間で、ただそれだけのことだった。老人のほうは、泥の上に胸から上を出しておッ立っていたが、腕から肩、胸から咽喉、まるで、風呂へでもつかるようなぐあいに、ゆるゆると、沈んでゆく。

もう、顎に泥がつく。咳ばらいのようなことを、ひとつすると、

「帰ったら、おらの餓鬼どもに、いいあんべえにいっとおいでけれ。……ンだば、さいなら……」

唇が動いただけで、最後の「さいなら」はよく聞こえなかった。