Japanische Klassiker mit Furigana
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あしのうら
怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像
蘭 郁二郎
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像 (あしのうら) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.233 Zeichen · 223 Bildschirme
一本を拝むようにやっと取ったといいますから凄い話です。
――どうも大分横道にそれてしまいましたが……で、その夜明けのポンコツの知らせを受けて私と吉村君とそれから矢張り泊り番だった工夫の三人ばかりとで取敢ずガソリンカーで現場へ出掛けたのです。そこは中央線の東中野を出て立川に行く全国でも珍らしい直線コースが立川から漸くカーブして日野へ行く、その立川日野間のほぼ真ン中あたりというのでした。申し遅れましたが私は当時立川の詰所にいたのです。ガソリンカーといってもトロッコに毛の生えたようなものですがこれが思ったよりスピードを出すもので私たちは振り落されないようにしっかり捉まっていながら寝不足と霧雨とに悩まされてすっかり憂鬱になっていました。と工夫の一人が思い出したように
『おう、倉さんのおッかあも去年のこんな時だったじゃねえか』
すると、
『そうよ、この先あたりだったな、あれもひどかった』
とも一人が合槌を打つのです。この倉さんというのは古株の工夫で実に筋骨隆々の巨大漢、私なんか手におえないセメン袋をひょいひょいと二つも両の小脇に抱えてしまう馬鹿力を持った男で、腕ッぷしの物をいうこの仲間でも一目も二目も置かれている男です。