Japanische Klassiker mit Furigana
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あしのうら
怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像
蘭 郁二郎
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像 (あしのうら) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.233 Zeichen · 223 Bildschirme
そこは、いかにも地下室らしい真暗なつめたい階段が十四、五段あって、又、も一つのドアーに突当った。
そのドアーが開けられると、
『あっ――』
思わず、三人とも異口同音に、低く呻いた。そのなかは、まるで春のように明るく、暖かく、気のせいか、何か媚薬のように甘い、馥郁たる香気すら漾っているのが感じられた。
然も、この別荘としては、その地下室は不相応に広いらしく、充分の間取りをもって、尚も奥へ続いているようであった。
その上、壁は四方とも美しい枠をもって鏡で貼られ、天井は全面が摺硝子になっていて、白昼電燈が適当な柔かさをもって輝いてい、床には、ふかふかと足を吸込む豪奢な絨毯が敷きつめられてあった。
それらの様子を、三人が呆然と見詰め、見廻わしている中に、山鹿はそのドアーを閉め、それを背にして向き直った。
ああ、その顔は、いつもの皮肉な皺が深々と刻込まれ、悪鬼のように歪んでいた。
『ふ、ふ、ふ、とうとう捕まったね……この地下室を見つけられたのは大出来だったが、のこのこ這入って来るとは、飛んで火に入る――のたとえだね、まあ、ここを知られては三人とも二度と世の中におかえしする訳にはゆかんよ……ここで君達がどうなろうと、全然世間には漏れないんだからね……ふ、ふ、ふ』