Japanische Klassiker mit Furigana
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あしのうら
怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像
蘭 郁二郎
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像 (あしのうら) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.233 Zeichen · 223 Bildschirme
『まったく、御無沙汰しました。……箒吉君は――』
『ええそれが……まァおかけ下さいまし』
ばあやは蒲団を押出すように、私の方に寄来した。
(いないのか――)
私は軽い失望を味わって、蒲団に腰を下ろした。
『それが貴方……』
ばあやはいかにも大事件だ、というように手をふりふり話し出すのであった。
『まァほんとうに、貴方様に来ていただいて、どんなに心強いか、知れはしませんわ……ええ、そりゃ御手紙を度々頂だきましたのは、よく存じておりますけど……何せ、同じ家に居りながら、わたしもちかごろは、まるで箒吉様にお逢いしませんし……』
(妙なことをいう)
私の口の先まで、出かかった言葉を、ばあやは押しかえすように
『何せまァ、わたしは心配で心配で、それは前から変った御気性の方ではございますけど、それがまァこの頃は、一体何をなさって居られるのやら、わたしにも一向わかりませんので』
『へえ、じゃ家にいないので――』
『いいえ、それが貴方、ずっとお部屋にいられるようなんですけど、そのお部屋が――ええなんと申し上げましょうか……その座敷牢……とでも申し上げたいような……』
『自分で好んで、はいってるんですか』