Japanische Klassiker mit Furigana
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かいいくらやみまつり
怪異暗闇祭
江見 水蔭
Lesen Sie 怪異暗闇祭 (かいいくらやみまつり) von 江見 水蔭 (えみすいいん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.923 Zeichen · 26 Bildschirme
と源八郎が笑いながら云った。
「ところがこの娘が今夜も遣ったんで、去年のも多分そうでしょう」
「えっ」
「お前さん達は男ばかり目を付けて廻ったから逃がしたんで、あっしは女に目を付けたんで奴と分った。当身で気絶さして、引担いで来たんです。御覧なさい、着物に血が着いている。手にも着いてるでしょう。帯の間に血塗れの剃刀が手拭に巻いて捻込んであります」
「うーむ」
今度は大竜院泰雲が唸り出した。
気絶している娘を三人で介抱して、蘇生さして、脅しつ透しつ取調べた。
最初は泣いてばかりいて、どうしても白状しなかったが、絶対にこの事実は秘密にしてやるという条件が利いて、娘は奇怪なる犯罪の事実を告白に及んだ。
娘は社家、葛城藤馬の長女で稲代というのであった。
神楽殿の舞姫として清浄なる役目を勤めていたのであったが、五年前の暗闇祭の夜に、荒縄で腹巻した神輿かつぎの若者十数人のために、乳房銀杏の蔭へ引きずられて行き、聴くに忍びぬ悪口雑言に、侮辱の極みを浴びせられたのであった。
余りの無念口惜しさ。それに因果な身をも耻入りて、多摩川に身を投げて死のうとしたことが八たびに及んだ。