Japanische Klassiker mit Furigana
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かいいくろひめおろし
怪異黒姫おろし
江見 水蔭
Lesen Sie 怪異黒姫おろし (かいいくろひめおろし) von 江見 水蔭 (えみすいいん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.963 Zeichen · 26 Bildschirme
異国へ渡って切支丹を学び、その魔法で徳川家を呪えという、それも洞斎の遺言であったが、いずれはそうしようとも考えながら、生れ故郷の関川を未だ一歩も出ずにいたのだ。そこへ高田城主の江戸詰と聞き、小さな復讐は放棄せよと、洞斎老人の意見ではあったなれど、いかにしても諦悟が着かなかった。
父の牢死、母の悶死、兄の刑死、それを思うと松平家を呪わずにいるのが耐えられぬ苦痛。それに又一方に於て、洞斎老人から伝授された奇薬を遣っての秘法をば、実地に行って見たくてならなかった。
霧隠れ雲隠れの秘薬、かつてこれは洞斎から真田幸村にも教えて、風を利用して薬粉を散らし、敵の大軍へ一時に目潰しを食わせるという計画をも立てたのだが、大阪夏之陣の風の吹き方が、巧く注文に適らなかったのであった。
それを滝之助は今日しも試みたのであった。最初に大田切で隙を狙って失敗したので、急いで変装して間道を駈抜けて、関川で再挙を企て又成らず、三度目の黒姫おろし、見事にこれは成功して、大名行列を一斉に盲目にした。
今又、里の娘に変装して、本陣内に忍び込み、宿直その他の者に眠り薬を嗅がして、高田殿の側まで接近したのであった。