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Japanische Klassiker mit Furigana

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こいとじってときんちゃくきり

恋と十手と巾着切

山中 貞雄

Lesen Sie 恋と十手と巾着切 (こいとじってときんちゃくきり) von 山中 貞雄 (やまなかさだお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.138 Zeichen · 25 Bildschirme

Aozora Bunko

今の商人を連れて鉄五郎が呼び止めたのだ。

三次素早く紙入れを彼方へ投げる。

地上に落ちる紙入れ。

物蔭から勝坊がそれ見てオヤッと思った。

鉄五郎、三次に追いついてせせら笑った。

T「三次、愈々年貢の収め時だね」

三次ドキッとなったが、そ知らぬ態で「何ですかい、藪から棒に」と白ばくれる。

鉄五郎は勝ち誇った顔で、

T「約束通り現場を押さえたんだ。神妙にしろよ」

三次「何の事だかあっしには分りませんね」

と尚白を切る。

鉄五郎は三次の身体を調べる。

落ちている紙入れを勝坊が拾った。

ヒョコヒョコ二人の前へやって来た。

鉄五郎それと見て驚く。

三次は、しまったと思った。

商人は、これですこれです、と喜んで子供の手から紙入れを取る。

鉄五郎勝坊と三次を見比べてサテハと気附いた。ジロッと三次を睨む。

睨まれて三次、もう駄目だと思った。鉄は勝坊の頭を撫でて、

T「お前はこの紙入れを誰が落したか知ってるだろう」

と訊く。

勝坊「知ってるよ」とうなずく。

三次が「アカンッ」と眼で知らす。

勝坊、鉄五郎の肩越しに三次の方を見て、

「おじちゃん何や?」と言った顔。

鉄が勝坊に言う。