Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

おそろしきさくご

恐ろしき錯誤

江戸川 乱歩

Lesen Sie 恐ろしき錯誤 (おそろしきさくご) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.075 Zeichen · 46 Bildschirme

Aozora Bunko

だが、こんな死にざまも世間にないことではない。それは随分ひどいことには相違なかったが、それよりも、そんな外面的なことよりも、もっと、もっと、僕の心を苦しめたのは、なぜ妙子が死んだかという疑いだった。死なねばならぬ様な理由は少しだってありはしなかった。物質的にも、精神的にも、彼女に死ぬ程深い悩みがあったろうとは、僕にはどうしたって考えられなかった。といって、彼女は、不意の出来事に気の狂う程、気の弱い女でもなかった。彼女が見かけによらぬしっかり者だということは、君もよく知っている通りだからね。仮りに一歩を譲って、彼女は気が狂ったのだとしても、何も態々猛火の中へ飛込んで行く訳がないじゃないか。

そこには何か理由がなくてはならない。一人の女を、死の危険を冒してまで、燃え盛る家の中へ飛込ませる程重大な理由というのは、それは一体何だろう。夜となく、昼となく、この息苦しい疑いが僕の頭にこびりついて離れなかった。仮令死因が分ったところで、今更どうして見ようもないと知り乍ら、やっぱり考えないではいられなかった。僕は長い間かかって、あらゆるあり相な場合を考えて見た。