Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふのくちぶえ
恐怖の口笛
海野 十三
Lesen Sie 恐怖の口笛 (きょうふのくちぶえ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 60.713 Zeichen · 122 Bildschirme
しかし変なことに、その気球は枯れ葉の下から発見されたのであった。そして問題の痣蟹の死体はどこにも見当らなかったという。――この報告に管下の警察は一斉に痣蟹の屍体発見に活動を開始した。
同じくその夜のことであった。赤星ジュリアの楽屋に西一郎が来合せているとき、どこからともなく電話がジュリアの許に懸ってきた。電話口へ出てみると、相手は覆面探偵の青竜王だといった。
「青竜王ですって。まあ、あたくしに何の御用ですの」とジュリアは訝った。
すると電話の声は、痣蟹の気球が発見されたが、屍体の見当らないこと、それから夕暮に箱根の山下である湯元附近の河原で痣蟹らしい男が水を飲んでいるのを見かけた者のあること、そして念のために後から河原へ行ってみると、紙片が落ちていて、開いてみると血書でもって「パチノ墓穴を征服」としたためてあったことを知らせた。
「パチノの墓穴を征服ですって」とジュリアはひどく愕いたらしく思わず声を高らげて問いかえした。
電話の声は、そうです、なんのことか分らないが、確かにパチノと書いてありますよ、と返辞をして、その電話を切った。ジュリアは倒れるように、安楽椅子に身を投げかけた。