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Japanische Klassiker mit Furigana

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おんしゅうのかなたに

恩讐の彼方に

菊池 寛

Lesen Sie 恩讐の彼方に (おんしゅうのかなたに) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.824 Zeichen · 46 Bildschirme

Aozora Bunko

と、実之助を咎めた。彼らの面には、仕儀によっては許すまじき色がありありと見えた。

「子細あって、その老僧を敵と狙い、端なくも今日めぐりおうて、本懐を達するものじゃ。妨げいたすと、余人なりとも容赦はいたさぬぞ」と、実之助は凜然といった。

が、そのうちに、石工の数は増え、行路の人々が幾人となく立ち止って、彼らは実之助を取り巻きながら、市九郎の身体に指の一本も触れさせまいと、銘々にいきまき始めた。

「敵を討つ討たぬなどは、それはまだ世にあるうちのことじゃ。見らるる通り、了海どのは、染衣薙髪の身である上に、この山国谷七郷の者にとっては、持地菩薩の再来とも仰がれる方じゃ」と、そのうちのある者は、実之助の敵討ちを、叶わぬ非望であるかのようにいい張った。

が、こう周囲の者から妨げられると、実之助の敵に対する怒りはいつの間にか蘇っていた。彼は武士の意地として、手をこまねいて立ち去るべきではなかった。

「たとい沙門の身なりとも、主殺しの大罪は免れぬぞ。親の敵を討つ者を妨げいたす者は、一人も容赦はない」と、実之助は一刀の鞘を払った。実之助を囲う群衆も、皆ことごとく身構えた。