Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あくいんねんのうらみ

悪因縁の怨

江見 水蔭

Lesen Sie 悪因縁の怨 (あくいんねんのうらみ) von 江見 水蔭 (えみすいいん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.705 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

「そこで、念には念を入れて、身元を洗って来てくれ。これは金銭に換えられぬ家の一大事だからと、御隠居奥様から、入用として別に頂いて来ているので、それを残らずお前に上げては、愚庵も困る。そこで、お嬶さん、何もかも打明けての話なんだ。お前を味方と抱き込んでの話なんだ」

「へえへえ、いくらでも抱き込まれますよ」

「そんなに傍へ寄って来なくッても好い。そこでお嬶さん、愚庵の立前を引いて、お前さんに、小判で十両上げよう」

「小判十両! 結構で御座います」

「まアお待ちよ。この十両はだね、この十両は巧く話が纏まったら、御礼として上げるのだよ」

「だと、話が纏まらない時は、頂け無いのですか」

「そこだよ。愚庵も江戸ッ子だ。話がバレたとしても十両上げるよ」

「だと、お玉坊の本統の身元を申上げて、それが為にバレになりましても、十両……」

「その代り、話が纏まっても十両、どっちへ転んでも十両で、お前に損は無いのだから、本統の事さえ教えて貰えば好いのだよ。嘘偽りを教えられたのでは後日になって、愚庵が申分けが無い。申分けが無いとなると、切腹するより他には無いのだが、同じ死ぬのならお前のドテッ腹へ風穴を穿けて、屍骸が痩せるまで血を流さした上で、覚悟をする」