Japanische Klassiker mit Furigana
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あくいんねんのうらみ
悪因縁の怨
江見 水蔭
Lesen Sie 悪因縁の怨 (あくいんねんのうらみ) von 江見 水蔭 (えみすいいん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.705 Zeichen · 28 Bildschirme
「それがどうもそう行かない。や、行かない訳が有るんだ。なるべくなら愚庵も纏めて遺りたい。又六浦家の方でも、ナニ海賊なら大仕掛で、同じ泥棒でも好いよと、マサカ仰有りもしないが、そう仰有ったところで、娘の方で承知出来ない」
「へえ、それはどういう訳で御座いますか」
「その海賊竜神松五郎を退治た浦賀奉行は、六浦の御先代、和泉守友純様だ」
「えッ」
「琴之丞様の父上が御指揮で、海賊船を木更津沖まで追詰めて、竜神松五郎に自滅をおさせなさったので、それが為に五百石の御加増まで頂いていらッしゃるので、お玉の父の敵は琴之丞様の御父上、敵同士の悪縁だから、纏まりッこは無い」
「なる程、それじゃア夫婦にはなれませんや」
悪縁というのは正しくこれだ。今の若い人の考えで見ると、恋愛は神聖だ。親と親とが、どんな関係だろうが、子は子で又別の者だ。互いに愛し合っているのに不思議は無い。早速自由結婚をしよう、戸籍面なんかどうでも好いという風に、ドシドシ新解釈で運んで了うが、天保時代にはとてもそうは行かなかった。
金儲けになる事だから、どうにかして纏めたいと考えたのだが、こればかりはどうにもならぬので、宗匠と茶店の嬶さんと顔を見合せて、溜息を吐くばかり。