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Japanische Klassiker mit Furigana

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あくじゅうへん

悪獣篇

泉 鏡花

Lesen Sie 悪獣篇 (あくじゅうへん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.715 Zeichen · 73 Bildschirme

Aozora Bunko

蹴出しも雪の爪尖へ、とかくしてずり下り、ずり下る寝衣の褄を圧えながら、片手で燈をうしろへ引いて、ぼッとする、肩越のあかりに透かして、蚊帳を覗こうとして、爪立って、前髪をそっと差寄せては見たけれども、夢のために身を悶えた、閨の内の、情ない状を見るのも忌わしし、また、何となく掻巻が、自分の形に見えるにつけても、寝ていて、蚊帳を覗うこの姿が透いたら、気絶しないでは済むまいと、思わずよろよろと退って、引くるまる裳危く、はらりと捌いて廊下へ出た。

次の室は真暗で、そこにはもとより誰も居ない。

閨と並んで、庭を前に三間続きの、その一室を隔てた八畳に、銑太郎と、賢之助が一つ蚊帳。

そこから別に裏庭へ突き出でた角座敷の六畳に、先生が寝ている筈。

その方にも厠はあるが、運ぶのに、ちと遠い。

件の次の明室を越すと、取着が板戸になって、その台所を越した処に、松という仲働、お三と、もう一人女中が三人。

婦人ばかりでたよりにはならぬが、近い上に心安い。

それにちと間はあるが、そこから一目の表門の直ぐ内に、長屋だちが一軒あって、抱え車夫が住んでいて、かく旦那が留守の折からには、あけ方まで格子戸から灯がさして、四五人で、ひそめくもの音。