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Japanische Klassiker mit Furigana

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あくじゅうへん

悪獣篇

泉 鏡花

Lesen Sie 悪獣篇 (あくじゅうへん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.715 Zeichen · 73 Bildschirme

Aozora Bunko

「これの、吐く呼吸も、引く呼吸も、もうないかいの、」と洲の股の御前がいえば、

「水くらわしや、」

と峡の婆が邪慳である。

ここで坂下の姉様は、夫人の前髪に手をさし入れ、白き額を平手で撫でて、

「まだじゃ、ぬくぬくと暖い。」

「手を掛けて肩を上げされ、私が腰を抱こうわいの。」

と例の横あるきにその傾いた形を出したが、腰に組んだ手はそのままなり。

洲の股の御前、傍より、

「お婆さん、ちょっとそのの針で口の端縫わっしゃれ、声を立てると悪いわや。」

「おいの、そうじゃの。」と廊下でいって、夫人の黒髪を両手で圧えた。

峡の婆、僅に手を解き、頤で襟を探って、無性らしく撮み出した、指の爪の長く生伸びたかと見えるのを、一つぶるぶると掉って近づき、お伽話の絵に描いた外科医者という体で、震く唇に幽に見える、夫人の白歯の上を縫うよ。

浦子の姿は烈しく揺れたが、声は始めから得立てなかった。目はいていたのである

「もう可いわいの、」

と峡の婆、傍に身を開くと、坂の下の姉様は、夫人の肩の下へ手を入れて、両方の傍を抱いて起した。

浦子の身は、柔かに半ば起きて凭れかかると、そのまま庭へずり下りて、