Japanische Klassiker mit Furigana
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あくじゅうへん
悪獣篇
泉 鏡花
Lesen Sie 悪獣篇 (あくじゅうへん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.715 Zeichen · 73 Bildschirme
かくて一つ目の浜は彎入する、海にも浜にもこの時、人はただ廉平と、親船を漕ぎ繞る長幼二人の裸児あるのみ。
二十三
得も言われぬ顔して、しばらく棒のごとく立っていた、廉平は何思いけん、足を此方に返して、ずッと身を大きく巌の上へ。
それを下りて、渚づたい、船を弄ぶ小児の前へ。
近づいて見れば、渠等が漕ぎ廻る親船は、その舳を波打際。朝凪の海、穏かに、真砂を拾うばかりなれば、纜も結ばず漾わせたのに、呑気にごろりと大の字形、楫を枕の邯鄲子、太い眉の秀でたのと、鼻筋の通ったのが、真向けざまの寝顔である。
傍の船も、穉いものも、惟うにこの親の子なのであろう。
廉平は、ものも言わずに駈け歩行いた声をまず調えようと、打咳いたが、えへん! と大きく、調子はずれに響いたので、襯衣の袖口の弛んだ手で、その口許を蔽いながら、
「おい、おい。」
寝た人には内証らしく、低調にして小児を呼んだ。
「おい、その兄さん、そっちの児。むむ、そうだ、お前達だ。上手に漕ぐな、甘いものだ、感心なもんじゃな。」
声を掛けられると、跳上って、船を揺ること木の葉のごとし。
「あぶない、これこれ、話がある、まあ、ちょっと静まれ。