Japanische Klassiker mit Furigana
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せきべつ
惜別
Lesen Sie 惜別 (せきべつ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.984 Zeichen · 178 Bildschirme
いつでも義太夫やら落語やらがかかっていて、東京の有名な芸人は殆どここで一席お伺いしたもので、竹本呂昇の義太夫なども私たちはここで聞いて大いにたんのうした。そのころも、芭蕉の辻が仙台の中心という事になっていて、なかなかハイカラな洋風の建築物が立ちならんではいたが、でも、繁華な点では、すでに東一番丁に到底かなわなくなっていた。東一番丁の夜のにぎわいは格別で、興行物は午後の十一時頃までやっていて、松島座前にはいつも幟が威勢よくはためいて、四谷怪談だの皿屋敷だの思わず足をとどめさすほど毒々しい胡粉絵具の絵看板が五、六枚かかげられ、弁や、とかいう街の人気男の木戸口でわめく客呼びの声も、私たちにはなつかしい思い出の一つになっているが、この界隈には飲み屋、蕎麦屋、天ぷら屋、軍鶏料理屋、蒲焼、お汁粉、焼芋、すし、野猪、鹿の肉、牛なべ、牛乳屋、コーヒー屋、東京にあって仙台に無いものは市街鉄道くらいのもので、大きい勧工場もあれば、パン屋あり、洋菓子屋あり、洋品店、楽器店、書籍雑誌店、ドライクリーニング、和洋酒缶詰、外国煙草屋、ブラザア軒という洋食屋もあったし、蓄音機を聞かせる店やら写真屋やら玉突屋やら、植木の夜店もひらかれていて、軒並に明るい飾り電燈がついて、夜を知らぬ花の街の趣を呈し、子供などはすぐ迷子になりそうな雑沓で